#86 旅行記⑪ (アンダルシア編、ちょこっとスペイン史)

最近、世界史とギリシア神話にハマっていて関連書籍を読み漁っている。その中で、せっかく住んでいるのだからとスペイン史を見ていったら、めちゃくちゃ面白くてどっぷりハマってしまった。
スペインの歴史において重要なのはやはりイスラムとの関係。ということで、今回はイスラム文化が色濃く残るスペイン南部アンダルシア地方へ旅立った。

意外とスペインの国内旅行は行っていなかったものの、もっと早く行っていればよかったと思わせるほど情熱的な都市が多かった!

まさに情熱の国!

◎今回の旅程

1日目:
飛行機でバルセロナからセビージャへ。セビージャ観光。コルドバへ移動。コルドバ観光+フラメンコ鑑賞

2日目:
コルドバからマラガへ移動。マラガ観光の後、グラナダへ。グラナダのフラメンコ鑑賞。

3日目:
グラナダ、アルハンブラ宮殿観光、ハマムで疲れを癒す。

後ウマイヤ朝の首都として栄えたコルドバは是非行きたかったし、意外と穴場かなと思いセビージャはざっくり観光で済ませ、ここで1泊することに。
また、アルハンブラ宮殿はもちろんのことながら、ハマムと呼ばれるアラブ式の入浴施設を今回の旅の締めに持ってきた。



◎セビージャ

確か、アンダルシアの州都。しかし今回は天候も悪く、また他の都市の方が魅力的に感じたために割とサクッと観光して終了した。メインはアルカサル。もともと、イスラムの支配者が住んでいたが、レコンキスタ(キリスト教勢力によるイスラムを追っ払って、領土を回復させようぜって流れ)によって、キリスト教の支配者の居城となった。
チケット事前購入の列は左@アルカサル


イスラム建築は細かい技術がすごい!

イスラムなイメージ

かと思うとキリスト教

オレンジがアンダルシアっぽい。天気悪いけど。

スペイン広場

スターウォーズの撮影でも使われたとか

◎コルドバ

今回のメインの一つ、コルドバ。セビージャからは電車(Renfe)で1時間ちょっと。なお、Renfeの高速列車は全席指定で立ち席はないので、切符の売切に注意!
ただ自動券売機は使いやすく、遅延も少なく、車内も清潔なので、スペインの電車旅のしやすさを今回の旅で実感した。
さて旧市街へはやや距離があったものの、気合で徒歩移動した。

この町は後ウマイヤ朝(もともと中東で滅ぼされたウマイヤ朝の生き残りの人たちが落ち延びでイベリア半島で再興)の首都で繁栄した。一番の見どころは、メスキータという大きなモスク。なお、これもまたレコンキスタによって、キリスト教徒に奪還されると、今度はキリスト教の教会へと姿を変えた。
(和洋折衷がごとく、イスラム・キリスト折衷的な建築物。興味深い。)

圧巻!

イスラム的な装飾



こちらはキリスト教

イスラム・キリストの和洋折衷は興味深かった

巨大トルティーヤ。味はおいしい。
ちなみに、最後の巨大トルティーヤはBar Santosという有名店のもの。

◎フラメンコ(コルドバ)

コルドバの夜はフラメンコに行くことにした。
Cardenalというタブラオでのフラメンコを事前予約した。そしてなんと、幸運なことに最前列で見ることができた

はっきり言って、このフラメンコが最高すぎた!翌日、グラナダでも有名店でフラメンコを見たのだが、断然コルドバのフラメンコの方がよかった。もう、情熱が爆発って感じで、今まで味わったことのない感動を味わった。
主演?の男性(アントニオ)が本当に素晴らしかった。本当にアントニオ最高ですわ!

休憩時間はなしで大体1時間半弱、飲み物付きで23ユーロ!









アントニオ、カメラ目線くれました!www

◎マラガ

マラガといえば、ピカソの生誕地と太陽の都市といったイメージ。時間があまりなかったこともあり、カテドラル、ピカソ美術館、ヒブラルファロ城(30分程度の登山・・・きつかった)のみを訪問。
駅からは、行きは旧市街地まで徒歩30分、帰りは疲れたのでCabifyを利用。

マラガの教会は塔が一つしかなく、片腕の貴婦人(マンキータ)を呼ばれてるらしい


ピカソ美術館

マラガっぽい写真が撮れた!

◎グラナダ

アンダルシアで一番有名なのはこの都市とアルハンブラ宮殿だろう。

さて、ここでちょっとスペイン史!
さっきからちょいちょい出てきている、レコンキスタ。キリスト教勢力がイスラム勢力からイベリア半島を取り戻すぞって流れでした。実はこれ、結構長く争っていて、700年以上争っていた。
その終着点が1492年で、イスラム側のナスル朝が拠点にしていたグラナダを明け渡して、モロッコへ去っていた。(さっき出てきた、後ウマイヤ朝は8,9世紀のお話でこれよりもずっと昔です)

なんで、15世紀末に決着がついたかというと、キリスト教勢力のカスティーリャ国(北部やや中央)のイザベルっていう女王とアラゴン国(北部やや東部)のフェルナンド王子が結婚して、強力な連合組んで追い払ったという感じ。このあたりから、ハプスブルク家も絡んできて、スペインは黄金時代の様相を呈するのですが、これは次回のマドリッド編書くことにします。

まあ、ここではイスラム最後の王朝のナスル朝がここを拠点にしていたというのが大切で、この都市もイスラムの影響が色濃く残る。

さて、旅に戻って、ここで一つ大問題が発生。なんとマラガからグラナダへの電車がない!!
仕方なくバスで行きました、1時間半で11ユーロ。グラナダのバスターミナルからは、33番のバスで市街地へ。

ここでも、フラメンコを見たのだが、コルドバの方がよかったな。有名店なのでどうしても観光客慣れしてて情熱を感じられず。お店はこちら、Los Tarantos

さてアルハンブラ宮殿もそうですが、グラナダに行ったら必ずHammam(Hammam al Andalus)に行きましょう。アラブ式の入浴施設なのだが、マジで俺はアラブの王か!って突っ込みたいくらい貴重な経験ができた。笑
イスラムの王が入るような大きな風呂が何個かあり、事前に予約すればマッサージも施術してくれる。残念ながら、館内の写真はNGなのでHPから写真を見てみて。

狭い洞窟の中でのフラメンコ


夜のアルハンブラ宮殿

宮殿から街を見下ろす



一応、ライオン?


イチオシのHammam

実は、この翌週に急遽マドリッドに行くことになったので、その様子は旅行記⑫にて。そちらの記事で、プラド美術館とカスティーリャ、アラゴン連合がスペインになっていき、ハプスブルク家も絡んでくるあたりの話を書こうと思う。

ではでは。

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