#51 公認会計士という資格

ここ最近、大学時代に公認会計士という資格を取得しておいて本当に良かったなと実感することが多い。(注:ここでは会計士試験論文式(2次試験)合格を資格取得を同義と捉えます)

MBA後へ向けての就活や、MBAプレクラスのAccounting授業など、目に見えるメリットもあるが、精神的にもメリット(漠然とした将来への危機感は他職種よりは薄いなど)も結構あるように感じる。

ブログ投稿も50記事を超えたので、ここで少し毛色の違うものも書いてみようと思う。(相変わらず読者いないですがwww)

◎会計士試験の概要

調べるのが面倒なので、覚えている範囲で書く。まず1次試験として短答式、2次試験として論文式があり、それに受かると概ね資格取得となる。上記(注)書きでも書いたが、修了試験(3次試験)や実務要件のことはここでは割愛。

短答式の試験科目は
財務会計、管理会計、監査論、会社法。

論文式の試験科目は
財務会計、管理会計、監査論、会社法、租税法、選択科目(経営学、経済学、統計学、民法から1つ)。
ちなみに9割がた経営学を選択する。

◎試験として

個人的に、この試験は非常に優秀だと思う。会計士なので会計・税務関連の科目があるのは当たり前だが、幅広く色々な科目の知識が必要になってくる。特に選択科目(経営学)があるのは秀逸だと思っている。
経営学は文字通りの経営学に加えて、ファイナンスの基礎を問う問題も出題範囲である(DCFとかCAPMとかベータとか)。
正直このあたりのことを大学の講義で聞いても、よくわからぬまま試験の過去問を暗記して、よくわからぬままとりあえず試験はパスという感じになっていただろう。

しかし、会計士試験という点数を稼がないといけないというプレッシャーがかかった状況では、いやでも真剣に取り組みそれなりに理解・習得することが出来る。個人的にここでファイナンスの基礎を習得できたのは結構な財産だと感じている。

◎MBA受験との関係、難易度

正直ビジネススクールに入るためには、会計士だから優位ということは一切ない。ちなみに社費派遣は私費派遣より目に見えて有利。私費の人頑張りましょう。

MBA試験はある種「地頭の良さ」+「英語力」が必要で、努力ではどうにもならない部分もある。また「運」の要素もある(GMATの点数のボラティリティ、同じバックグラウンドの人間が多いか少ないか)。

一方で会計士試験は「努力」さえすれば結果は伴ってくると思っている。努力が正当に評価される。「運」の要素もあまりないように感じる。そういった意味では試験としての特性は、やはり会計士試験のほうが優れていると個人的には思っている。

単純に難易度比較はできないが、努力で何とかなる可能性が高い会計士試験のほうが個人的にはおすすめである。MBA受験は努力以外の要素がやや多い。

◎MBAでどう活かすか

MBA生活の自分の中のテーマの一つは「会計士としての価値をMBAでどう活かすか」。小さいところでは、会計関係の知識をクラスメートに教えるということが考えられる。
また、ビジネススクールは「意思決定の訓練所」と言われるくらい、ケーススタディなどを通して意思決定の機会が多い。そのため、自分としては「意思決定」のために「会計数値」をどうつなげていけばいいのか、そのあたりの「勘所」を磨いていきたいと思う。

ただ強いて、一点だけ苦言を呈すると、試験としては素晴らしい会計士試験だが、合格後の会計士の卵は大半が監査法人に就職する。
もちろん、監査は社会的に非常に重要な仕事で公認会計士にしかできない業務であるが、ここのファーストキャリアの選択肢がもう少しだけ広がるとさらに資格としての魅力がアップするのかなーなんて思ったりしている。
(断じて、監査・監査法人批判ではないので、悪しからず)

ではでは。



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